代表ブログ
【こうのとりグループ10周年の歩み】地域に根ざし、志を言語化した10年

みなさん、こんにちは。
こうのとり不動産 代表取締役の畠中です。
私は、生まれ育った豊岡で平成16年から不動産業に携わってきました。
2015年、たった一人・約40㎡の事務所から始まった「こうのとりリフォーム」。
地域最大級のショールーム開設、地元不動産会社との合併、そして経営理念の策定と働き方改革。
そして2025年、こうのとりグループは創業から10周年を迎えました。
これまでの歩みを振り返り、創業の原点に込めた思いをお伝えしたいと思います。
10周年を迎えて ~「あっという間の10年」、それでもまだ道半ば

創業以来、代表は「1日15時間」働き続けてきました。
今、振り返れば「あっという間」という気持ちと同時に「まだ、もっとやれる」という実感もあります。
10年の節目は、通過点なんだなーと感じます。
地域の皆様から必要とされ続けるために、歩みを止めない。それが今の率直な気持ちです。
創業のきっかけ ~「楽しく働く会社」をつくる決意
私は高校を中退し、16歳で建設現場に飛び込みました。
建設業の仕事自体は楽しかったのですが、現場では年上の先輩方が毎日のように仕事の愚痴をこぼしているのが気になりました。
人生の大半を占める仕事の時間を、どうせなら楽しく過ごしたい。そんな思いから「自分が理想とする会社をつくりたい」という気持ちが芽生えました。
現場で働き始めて7年目、22歳のときに当時の社長から「宅建を取ってみてはどうだ?」と声をかけていただき、現場仕事のかたわら資格取得に挑戦。
22歳で宅建を取得し、その資格を生かしてさらに成長したいと考え、不動産会社に転職しました。
面談の際には「10年後に独立したいです」と宣言。今振り返ると失礼で無謀な言葉だったかもしれませんが、それを受け止めてくださった当時の社長には今も感謝しています。
結果的に独立は2年延びましたが、宣言から12年後、34歳のときに起業を果たしました。
「毎日働くなら、前向きに、楽しく」。
自分も周りも前向きになれる会社を実現したいという志を胸に歩み始めました。
2015年 起業 ~40平米から始まった挑戦と、地域に開かれた第一歩

2015年11月、40平米の事務所を借りて、ひとりでこうのとり不動産を起業しました。
そして、翌年2016年1月にこうのとり不動産・こうのとりリフォーム開業しました。

最初の契約は、女性のお客様との不動産契約でした。その方が「最初のお客様が女性だと繁盛するのよ」と声をかけてくださり、とても嬉しかったのを覚えています。そしてその言葉は、今も胸に刻まれています。
創業当時、特に印象に残っているのは、JA店舗を借りて「豊岡市民リフォームまつり」を開催したことです。協力会社の皆さまにもご協力いただき、初めてお客様が来場されたときの喜びはひとしおでした。
数百万円規模の内装工事を受注し、“地域に開かれた会社”としての第一歩を踏み出すことができました。
2020年 移転 ~コロナ禍でも逃さなかった好機

創業当初から、豊岡市にショールームをオープンすることを目標にしていました。
当時は水まわりのショールームが1社しかなく、「もっと多くの方に見ていただける場をつくりたい」と感じていたのです。
ある日、お客様から「この店舗が空くよ」と教えていただいたことがきっかけで、その日のうちに物件を管理されている不動産会社へ連絡し、すぐに契約を結びました。
2020年は、コロナ禍の始まりという不安定な時期。家賃を払えるのかという恐怖もありましたが、「今しかない」と思い切って移転し、約100坪の大型ショールームを開設しました。

事業拡大に伴い、念願だった地域最大級の水まわりショールームを実現。オープン時には、ソーシャルディスタンスなど当時の規定に沿いながら抽選会などを実施しました。
来店そのものを楽しんでいただける体験を通じて、「こうのとりリフォームのショールームに来れば“見て選べる”」という新しい選択肢を地域のお客様に提供する一歩となりました。
2021年 合併 ~壱昭商事との協力で会社を強くする

創業1984年の老舗・壱昭商事と合併し、社員は約10名体制に。
当時、壱昭商事では高齢化が進み、若手の採用にも苦労していました。
一方で当社は、まだ若い会社。
コロナ禍初期という不確実な状況のなかで、「お互いに協力し合えば、より強い組織になれる」と感じていました。
昔から親交のあった壱昭商事の2代目社長・小山さんに声をかけ、合併が実現。
「一緒にやることで若返りが図れ、次の成長につながる」。
そうした思いを共有できたからこそ、両社の合意に至ったのです。
この合併をきっかけに、事業の基盤は大きく強化しました。
地域に根ざしながら、次のステージへ踏み出すための確かな一歩となったのです。
2022年 経営理念・ビジョンの言語化 ~“利他の精神”を掲げる
人が増え、体制が変わるなかで、私は経営理念・ビジョンの言語化に約8か月かけて向き合いました。
核に据えたのは、
「一人ひとりが自分事として主体的に動くこと」
「心を燃やして、お客様に笑顔と感動を届けること」、
・・・そして何よりも利他の精神という価値観です。

この年は、「理念を掲げる」だけでなく、日々の会話や判断の場面で立ち返る“拠り所”をつくった一年でした。
採用の場でも、「価値観に合うか」を最初に確かめる。そんな基準づくりの土台が、この言語化によって整いました。
社員からは「まずは売上では?」という異論もありましたが、長い目で見れば、価値観をそろえることが最も強い組織づくりにつながる、と確信して進めました。
2023年 働き方改革 ~見えない残業をなくし、公正と安心を整える
新たな取組みを進めていくうえで人財の離職もあり、組織は痛みを伴います。
それでも、「短期の人員数」より「長期の健全さ」を選ぶ決意は揺らぎませんでした。
利他の精神は、社内の誰かだけが我慢することではなく、全員が等しく守られる仕組みの上にこそ根づく。そう信じて進みました。
この働き方改革は、すぐに成果として表れるものではなかったものの、翌年以降の採用・育成や、現場での判断の質を底上げする“見えない土台”となりました。
今にしてみれば、理念が現場で息づくための環境を整えた一年であったと思えます。
2024年 再出発 ~最少3名から、理念に共感する仲間とふたたび
2024年、体制は最少の3名にまで縮小し、まさに踏ん張りの一年となりました。
それでも歩みを止めず、新しい組織づくりに挑戦。在宅ワーカーの活用を進めました。
在宅ワーカーの方々との面談では、弊社の経営理念に強く共感してくださり、様々な理由で在宅勤務を希望する熱意ある方々とチームを結成。取り組みを重ねる中で、「もっと早くから始めればよかった」と思うほど、事業のスピード感や一体感を実感しました。

そして2025年、初めて本格的な採用活動を開始。
新入社員は面接の段階で「利他の精神」に共感し、入社を決意。理念に共鳴する人と働きたい――その想いがようやく採用の場で実を結び始めています。
2025年 10年で得たもの ~社員を守り、育て、未来へつなぐ経営へ
この10年で、私自身の意識は大きく変わりました。
創業当時は、これまで給料をいただいていた側から、会社を運営していくうえで必要な経費を支払う立場となり、とにかく利益を上げることを第一優先に考えて色んなことにチャレンジしていました。
一緒に働いている社員は、創業間もない頃から共に歩んできた仲間です。
前職を辞め、私の会社を選んでくれたからこそ、「絶対に守り抜く」という気持ちで今日までやってきました。
10年を続けられたことは、本当にありがたいことだと感じています。
そして今、私は新たな段階に入ったと実感しています。
それは、人財を育て、会社を継続的に成長させていくためのフェーズです。
守るだけでなく、次の世代にバトンをつなぎ、会社を持続的に成長させることこそ、これからの10年で果たすべき使命だと思っています。
社長メッセージ ~“利他”を胸に、笑顔と感動を届け続ける

私は16歳からずっと、ここ豊岡市で建設や不動産の仕事に携わってきました。
豊岡市の皆さまに支えられて今日まで歩んでこられたからこそ、これからは私が地域に恩返しをしていきたい。
その思いを大切にし、一緒に働く仲間にも“利他の精神”を持って仕事に向き合ってほしいと伝えています。
こうのとり不動産・こうのとりリフォームは、お客さまに笑顔と感動を届けるために働く会社です。
それを実現していくことで事業が永続的に繁栄する――私はそう信じています。
今まで支えてくださったお客様、協力業者さま、社員、家族、そして地域の皆さま。本当にありがとうございます。
次の10年も、ここ豊岡で、まっすぐに。『こうのとりらしさ』を胸に、より良い暮らしの実現に力を尽くしてまいります。